戦前・戦後の広島の町や人々の様子がわかる科学絵本『絵で読む 広島の原爆』はおススメ!

絵本で読む 広島の原爆

料理も作る人の顔が見えると、より美味しく味わい深く感じますが、本も一緒だなぁと思います。

この『絵で読む 広島の原爆』の著者那須正幹(なす まさもと)さんは先月22日に79歳で他界されました。「ズッコケ三人組」のシリーズの著者でもあります。

私は那須正幹さんが亡くなられたことを知らずに、のびタネ教室の子ども達に『絵で読む 広島の原爆』を読み聞かせをし、その後訃報を知りました。
心よりご冥福をお祈りします。

原爆を描いた児童書は数多くありますが、ほとんどは個人の被爆体験をもとにしたストーリーとなっています。
でも、この『絵で読む 広島の原爆』は、科学絵本の形に仕上がっていて、原爆に関する知識も詳しく書き込まれています。

3歳の時に広島市庚午北町(西区己斐本町)の自宅で被爆をされた那須正幹さんは、戦後いろいろなことが風化していく中で、客観的に広島を描く絵本を作りたいと思い、絵を担当した西村繁男さんと共に6年の歳月を要して、1995年に絵本を完成させたようです。

絵を担当した西村繁男さんは、克明な絵に仕上げるために何度も広島に足を運び、多くの資料や証言者を訪ね回ったそうです。修正を繰り返し、当時の姿になるべく近い形に再現し、各場面は少し高い位置から見下ろした構図にし、人物が何をしているかがわかる大きさで描かれたそうです。

お2人の苦労と困難は並大抵のものではなかったと思います。

最後の方のページには、各場面の「復元図絵解き」で当時の街の様子や人物の様子がとても詳しく解説されています。

戦争の悲惨さをストレートに伝えているのではなく、広島で何が起きてどうなったかという事実を淡々と伝えているからこそ、読んだ人の想像が掻き立てられるのだと思います。

絵本で読む 広島の原爆

のびタネ教室の子ども達には、町の絵42ページを読み聞かせをしました。読み終えると…

「学校では習ってないことも知ることができて勉強になった。」
「原爆が落ちる前は家がたくさんあって、みんな普通に暮らしていたことがわかった。」
「広島の町がどんな風に変わっていったかよくわかったし、戦争は絶対にいけないとわかった。」

と感想を伝えてくれました。

生前、「これからもずっと戦後であってほしい」と語られた那須正幹さんの言葉は、これから生きる私たちに課せられた大きな宿題と言えるでしょう。

のびタネ教室の子ども達に読み聞かせをする為に図書館で借りた本でしたが、ずっと手元に置きたくて購入しました。1ページ1ページ隅々までじっくり見て読んで感じています。この夏の私の宿題です。全部で83ページあります。

まずは私自身が知ること・学ぶこと。そして、伝えていきたい!

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絵本で読む 広島の原爆
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